シリーズ・ホームヘルプ 2
自立(律)性を高めるための援助の視点

伊藤幸子・森山千賀子 著

     はじめに    もくじ

〔はじめに〕

 「自立を妨げるケアから自立を促すケアへ」という言葉が、最近ではしばしば聞かれるようになっています。とりわけ介護保険制度では、「自立支援」を基本理念ととらえ、また「ICF」(国際生活機能分類)の概念を活用しながら、自立(律)的に生きることを包括的に捉えていこうという考えが見受けられます。
 しかし、この自立(律)という言葉は、最近になって現れてきたものではなく、私たち援助に関わる人たちにとっては、基本的な援助の視点として、また人々の基本的権利として息づいてきたものだと思われます。
 本巻では、昨今取り上げられている「自立支援」のとらえ方を踏まえ、ホームヘルプ活動の日々の実践から、私たちの援助行為を見つめ直し、自立(律)とは何かということを、読者の皆さんと一緒に考え、検討していきたいと思っています。
 高齢者も若者も生活障害をもつ人もそうでない人も、すべての人が自立(律)した豊かな人生を過ごせるために、本巻がお役にたてれば幸いです。
 なお本巻では、法制度上や社会一般で使用されている表現としては「自立支援」等の用語を使用しますが、基本的には利用者が精神的にも人格的にも主体性を保つことを大切にする立場から、自立(律)と表現しています。


〔もくじ〕
シリーズ・ホームヘルプ 2
自立(律)性を高めるための援助の視点
伊藤幸子・森山千賀子 著

第1章 制度と本来的意味との狭間のなかで−自立支援のとらえ方−
1.介護保険制度にみる自立支援
 (1)介護保険制度の成立と理念
 (2)介護保険制度の課題
2.ICFと自立支援
 (1)ICFとICIDH
 (2)ICFの特徴
 (3)ICFの構成要素
 (4)ICFモデルを取り入れたケアプラン
 (5)ICFとホームヘルプサービス
3.自立(律)性の本来的意味 
 (1)自立(independence)
 (2)自律(autonomy)
 (3)自己決定を尊重する援助
 (4)自立と依存
 (5)自立(律)を目指す援助のあり方

第2章 ホームヘルプ実践における自立(律)と援助
1.「自立(律)した生活」とその援助の考え方 
 (1)「生活」とは何か
 (2)自立への援助とは
 (3)自律への援助とは
 (4)自立(律)生活実現の原則とその道筋
2.自立(律)した生活に必要な在宅介護の原則
 (1)それぞれの家庭の生活習慣・文化・価値観の尊重
 (2)自己決定の尊重
 (3)自立(律)への意欲と動機づけ
 (4)家族との信頼関係の構築
 (5)安全の確保
 (6)社会生活の復活
 (7)やすらかな死への援助
3.予防にみる生活の継続性と自立(律)
 (1)介護保険制度と予防的援助
 (2)生活基盤としての家事援助機能と予防的援助

第3章 自立(律)への働きかけ・援助の方法
1.その人らしい生活を立て直す働きかけ
 (1)インフォームド・コンセント
 (2)日々の生活のなかで自己決定を促す
 (3)わかる言葉で伝える
2.充実感の演出と自己実現への意欲を引き出す
 (1)生活のなかでの充実感・気持ちよさの体験
 (2)黒子としての援助者の存在
3.生活の自立(律)と生活能力の拡大
 (1)ICFの考え方とポジティブな視点
 (2)残存能力の復活による生活能力の向上
 (3)今ある能力を生かし生活能力を高める

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