住環境リテラシーを育む―家庭科から広がる持続可能な未来のための教育

妹尾理子著

A5版・並製214頁
口絵カラー/写真・図版多数
ISBN4-89491-098-5
2006年4月30日
定価2,730円(本体2,600円+税5%)

【目 次】
序 現代的課題としての住環境リテラシー
第T部 住環境リテラシーを育む教育
 第1章 住環境リテラシーとは何か
  1 社会的課題としての住環境リテラシー
  2 住環境リテラシーの背景としての環境教育
  3 住環境リテラシーと家政学
  4 関連専門分野からのアプローチ
 第2章 英国・フィンランドにおける住環境リテラシーを育む教育
  1 英国の住環境教育の理念と実践
  2 学校と地域の協働による学習活動
  3 フィンランドの住環境教育プロジェクト
 第3章 家庭科を中心とした住環境リテラシーを育む教育
  1 家庭科から広がる学びの可能性
  2 どんな学びをつくるのか

第U部 住環境リテラシーの学びをデザインする
□1 健康と室内空気環
□2 環境に配慮した住環境づくり
□3 バリアフリー/ユニバーサル・デザイン−ノーマライゼーションの実現へ
□4 人と人との共生をはかる住まい
□5 安心・安全なまちづくり
□6 景観・街並みから考える
□7 居心地のよい空間・環境とは

主要参考・引用文献
索 引


【はじめに】
2005年から「国連持続可能な開発のための教育10年」が始まった。今、教育者には、持続可能な未来のための教育を構想し実践することが強く求められている。しかし、理念は理解できたとしても、テキストやマニュアルがないなかで具体的な教育の中身をつくるのは容易ではない。私自身、教師になりたての頃、教科書を使わず自由にストーリー性のある授業を組み立てるという学校の方針の下で、その難しさに苦しんだことがある。授業内容を自由に構想するには、教科書の何倍もの深い認識と問題意識が必要だからである。
「住環境リテラシーを育む」ということは、「主体的に住環境創造に参画できる生活者・市民を育てること」と考えるが、たとえこれが現代の重要な教育課題であったとしても、教える側に充分な用意がなければ、授業を構想することは難しいと思う。
そこで、本書では「住環境リテラシーを育む」教育の充実に向けて、理論的整理と、具体的な学習プロセスおよび学習内容・方法などについて提案を行いたいと思う。そしてまとめるにあたっては、楽しく分かりやすく、なおかつ子どもたちに考えさせる授業づくりに取り組もうとする教師の役立つ情報提供を心がけたつもりである。
本来、授業とは教師と生徒でつくりあげるものなので、本書の提案はあくまでも参考にしかならないだろうが、教師と生徒、生徒と生徒の学びあいによって深めながら、柔軟に授業をつくっていただければと思っている。本書には、家庭科や総合的学習に限らず、社会科や理科、美術科等の教科内容にかかわって展開できる内容も含まれている。複合的で学際的な住環境教育のイメージを広く描き、さまざまな場面で住環境というトピック(話題)を利用していただけると幸いである。