“障害者自立支援法”緊急ブックレットシリーズ@
――障害者自立支援法成立の足あとと評価

だから言わんこっちゃない

きょうされん障害者自立支援法対策本部【編】

A5版・並製・72頁 
ISBN4-89491-105-1 C3036 \667E
2006年4月20日発行
定価700円(本体667+税5%)

   目 次

 はじめに 

 T.障害者自立支援法の成立までの足あと
 1.経過をとらえるための四つの観点 
 2.経過にみる主な事柄 
(1)「介護制度改革本部」の設置と統合方針の提示
(2)社会保障審議会での障害関連八団体の意見表明
(3)新法を前提にグランドデザイン案
(4)統合断念と新たな利用者負担案
(5)自立支援法案の閣議決定
(6)「新しい障害福祉サービスを考える会」の発足
(7)衆議院厚生労働委員会での参考人意見陳述
(8)法案修正をめぐっての攻防
(9)衆議院での最初の可決成立
(10)衆議院の解散に伴って廃案
(11)法案の再提出と可決成立
(12)二〇〇六年度政府予算案編成で見え始めてきた本質
(13)障害関連団体による集会・フォーラム
 3.「一旦は廃案に」をどうとらえるべきか 
 4.一転して可決成立へ 

 U.障害者自立支援法についての評価
 1.積極的な側面 
 2.問題点 
(1)内容面の問題点 
(2)プロセス面の問題点 

 V.施行にあたっての基本視点と対応策

 W.改善運動をどうすすめるか
 1.法の成立は認めるが、法の誤りまでは受け入れられない
 2.各地における運動をどうすすめるか 
 3.地域の実態を押さえながら 
 4.各作業所・施設や団体で当面何をすべきか 

 おわりに 


 はじめに
 障害者自立支援法(以下、自立支援法)が実施に移されました。新たな負担増に不安や戸惑いを募らせる当事者や家族、予想以上の低劣な報酬単価に頭をかかえ込む施設関係者、今さらながらのようにこの法律の問題のすさまじさを思い知らされます。「だから言わんこっちゃない」、そして「こんなはずじゃなかった」、この二つのフレーズが交錯しながら各地に広がっています。
 厚生労働省(以下、厚労省)は、新たな利用者負担について「きめ細かな軽減措置を講じているので、無理な負担にはならない」、と強弁します。しかし、軽減措置と言われるものを講じても、なお負担が増すというのが現実の姿なのです。
 不安や負担感の最大の要因が、この法律の真髄である応益負担制度(定率負担制度)にあることは言うまでもありません。応益負担制度の導入は、これまでの政策観を一変させるものでした。いったん切り替えた以上は、施策や制度のあちこちに影響が出るのは必然であり、致命的な影響となりかねません。どんな軽減策を講じたとしても、結局は激変緩和のためのカムフラージュ策でしかなく、小手先の対応としか言いようがありません。
きょうされんは、法案づくりが表沙汰になった段階から、一貫してこの応益負担制度に強く否定する立場をとってきました。こうした立場がいかに誤っていないかは、施行に移された今日の状況をみれば、一目瞭然と言っていいでしょう。
 私たちがとるべき道ははっきりしています。めざすは、応益負担制度をなくしていくことであり、当面はこれによる影響をできる限り薄めていくことです。すなわち、運動を継続させることと、現実的に対応していくことです。こうした「運動と対応」にあたって、大切なのは改めて問題の全体像を把握しておくことです。自立支援法というのは、一体どんな経過をたどって今に至ったのか、どのように評価すればいいのか、現時点で設定すべき今後の課題として何があげられるのか、これらを体系的に押さえることです。
 このブックレットは、まさに自立支援法の実相を体系的に押さえることを目的に発行しました。また、最低限知っていただきたい事柄を中心に、コンパクトにまとめたのも特徴です。施行後の実態をきちんととらえる視点を磨くために、また新たな運動を創っていくために、ぜひとも広く手にとっていただきたいと思います。

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 なお、きょうされんは本ブックレットを皮切りに、自立支援法に関連して三つのシリーズを準備しています。次巻は「どう活用する、障害者自立支援法〜当事者を守るために(仮題)」、第三巻は、「障害者自立支援法と小規模作業所(仮題)」とする予定です。あわせてご活用ください。

  二〇〇六年四月一二日
                 きょうされん       理事長 立岡 晄